【障害】令和7年度指導監査重点事項(千葉県)等について分かりやすく解説します。

千葉県は令和7年度の指導監査の重点事項を公表されました。ここでは、令和5年度末時点での障害福祉サービス事業所の数や、過去に文書で指摘された事項を踏まえて、令和7年度の指導監査重点事項についてみていきたいと思います。

 障害福祉サービス事業所の指定及び指導の状況について

監査の対象施設数

令和5年度末の千葉県内の障害福祉サービス事業所数は約5,200施設で、令和4年度末から8%増加しています。

訪問系サービス:1,531施設

日中活動・就労系サービス:1,369施設

・居住系サービス:634施設

相談施設:154施設

児童通所施設:1,510施設

児童入所支援:15施設

合計で5,213施設となっています。

文書指摘事項の主な内容

令和6年度に文書で指摘された改善報告事項の主な内容は以下の通りです。

1. 給付費の算定(101件)

   各種加算(職員配置、日中支援、施設外就労、欠席対応)の要件を満たさない。

   サービス管理責任者欠如減算、個別支援計画未作成減算、身体拘束未実施減算。

2. 身体拘束適正化、虐待禁止(74件)

   身体拘束適正化、虐待防止のための研修・委員会設置・指針整備を行っていない。

3. 人員基準(12件)

   基準上必要な従業員(看護職員、児童指導員等)が配置されていない。

   常勤が必要な人数(世話人、生活支援員等)につき常勤の勤務時間に達していない。

4. 計画作成・交付(23件)

   個別支援計画を作成していない、記載内容が不十分。

   利用者への説明した記録がない。

   個別支援計画の作成後、モニタリング実施、6か月ごとの見直しを行っていない。

5. 給付費等の額に係る通知等(17件)

   法定代理受領を行った場合、利用者に対して給付費の額が通知されていない。

6. 業務継続計画の作成・衛生管理等(100件)

   ・業務継続計画が作成されていない。

   ・感染症及びまん延防止のための措置がされていない。(委員会の開催、指針の整備、研修及び訓練の実施等)

  引用:障害福祉サービス事業所の指定及び指導の状況

(千葉県)令和6年度実地指導 主な指導事項

共同生活援助事業所における利用者の費用徴収に関する注意事項

共同生活援助事業所では、利用者の生活を支えるための運営が求められますが、適切な費用徴収や従業員数の管理が重要になります。

共同生活援助事業所における利用者の費用徴収

 共同生活援助事業所が、提供される便宜に伴る費用について、以下のルールを守る必要があります。

(1)利用者から受領することができる費用は運営基準で認められるものに限ります。

   ア 食材料費

   イ 家賃

   ウ 光熱水費

   エ 日用品費 

   その他日常生活費:ただし曖昧な名目による費用徴収は認められません。詳細は、平成18年12月6日付障発第1206002号をご確認ください。

(2)受領する費用の精算
  受領した費用は実際に要した費用相当分に限られます。

  例えば定額で徴収する場合、実際に使用した額が受領額に達していなければ、差額を返還する必要があります。


(3)領収証の発行
  利用者から費用を受領した際は、必ず領収証を発行してください。

共同生活援助事業所における従業者員数の管理に関する注意事項

 共同生活援助事業所の従業者の配置についても、適切な管理が求められます。
(1)必要員数の充足
  世話人と生活支援員の員数は、別々に常勤換算で必要員数を充足する必要があります。
(2)員数決定の基準

  世話人の必要員数は前年度の平均利用者数、生活支援員の必要員数は障害区分ごとの平均利用者数により決定されます。

(3)夜間支援の時間
  夜間支援の時間は、指定基準上では世話人及び生活支援員の勤務時間数として算定できないため、注意が必要です。

個別支援計画未作成時の注意事項
個別支援計画が適切に作成されていない事業所が多く見受けられたため、以下の事項について注意が必要になります。
(1)個別支援計画未作成減算の適用
 個別支援計画が未作成のままサービスを提供した場合、「個別支援計画未作成減算」が適用されます。

  未作成の状態が解消された月の前月まで、所定単位数の70%または50%で算定。

変更の届出が必要な場合と注意点
(1)変更届出の期限
 事業所の名称や所在地、管理者等が変更された場合は、10日以内に届出を行う必要があります。
※変更届を適切に提出しなかった場合、未届期間中の変更が認められず、報酬請求が認められない場合や、減算が適用される場合がありますので注意が必要です。

主な変更事項と確認すべき内容
届出が必要となる主な変更事項には以下のとおりです。

「事業所の名称及び所在地」

「申請者の名称及び主たる事務所の所在地並びにその代表者」

「申請者の登記事項証明書」

「建物の構造概要及び平面図並びに設備の概要」

「管理者及びサービス管理責任者」

「運営規定」

これらは一例であり、提供するサービスによって届出が必要な事項が異なる場合があります。

法令を必ず確認し、適切な手続きを進めてください。

身体拘束禁止に向けた取り組み

障害福祉サービス事業所では、身体拘束の適正化を進めるための取り組みが求められています。しかし、研修や委員会の設置、指針整備が十分に行われていない事例が多く見られるため、以下のポイントに留意して改善を進める必要があります。

身体拘束廃止未実施における減算ルール
以下の①から④を満たしていない場合には、基本報酬が減算されます。

※施設・居住系サービスは所定単位数の10%

 訪問・通所系サービスは所定単位数の1%

身体拘束禁止に向けた具体的な取り組み
身体拘束の廃止に向けた活動の基本として、以下の対応を行う必要があります。

① 身体拘束を行う場合の記録

 ・緊急やむを得ず身体拘束を行う際は、その態様、時間、利用者の心身の状況、緊急性の理由、その他必要事項を正確に記録してください。

② 適正化検討委員会の設置

 ・幅広い職種で構成される「身体拘束適正化検討委員会」を設置し、構成員の役割を明確にしてください。

 ・少なくとも年1回の委員会開催により、情報共有や不適切な身体拘束等の再発防止や身体拘束を行いわない支援方法の検討を行いましょう。

③ 指針整備

 次の項目を盛り込んだ指針を作成してください。

 ア 事業所における身体拘束等の適正化に関する基本的な考え

 イ 身体拘束適正化検討委員会その他事業所内の組織に関する事項

 ウ 身体拘束等の適正化のための職員研修に関する基本方針

 エ 事業所内で発生した身体拘束等の報告方法等の方策に関する基本方針

 オ 身体拘束等発生時の対応に関する基本方針 

 カ 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針

 キ その他身体拘束等の適正化の推進のために必要な基本方針

④ 研修の実施

 ・定期的な研修(年1回以上)を実施し、身体拘束禁止に関する知識を普及・啓発をすること。

 ・新規採用者に対しても身体拘束適正化の研修を必ず実施する。

引用:令和6年度実地指導における主な指導事項

(千葉県)令和7年度指導監査重点事項

障害福祉サービス事業所の令和7年度指導監査の重点事項は以下の通りです。

1. 適正な公費請求費用徴収

   各種加算を含む給付費について、適正に請求しているか。

   ・算定要件・減算実施の有無の確認。

 ・利用者からの費用徴収について、適正に受領しているか。

2. 地域との連携(施設入所・共同生活援助に限る)

令和7年度より義務化された地域連携推進会議について

 ・利用者、地域住民、有識者や市町村の担当者等で構成される地域連携推進会議を開催し、運営状況を報告しているか。

 ・会議の開催のほか、会議の構成員が事業所を見学する機会を設けているか。

3. 虐待防止及び身体拘束の適正化

   虐待防止、身体拘束適正化のための対策を検討する委員会の設置、定期的な開催

 ・委員会での検討結果を従業員に周知徹底。

   虐待防止及び身体拘束適正化のための指針の整備。

   従業員に対して研修を定期的に実施。

   虐待防止等の担当者の設置。

4. 人員基準に定める職員の確保

   ・基準に定める職員の適切な確保。

   兼務職員の常勤に必要な勤務時間に達しているか確認。

5. 個別支援計画の策定等

   ・契約・計画作成からモニタリング実施までの一連の適切なサービス提供が行われているか。

6. 工賃の支払い・賃金

  就労継続支援A型事業所

 ・生産活動に係る事業収入から必要経費を控除した額が賃金の総額以上。

 ・利用者に支払う賃金、工賃の額について、自立支援給付費から充当していないか。

7. 感染症や防災対策の充実強化

   感染症の発生及びまん延の防止に関する取り組みとして、委員会の定期開催、指針の整備、研修、訓練の定期的に実施。

 ・BCP(業務継続計画)の策定、研修、訓練の定期的な実施。                  

 

8. 情報公開に係る報告

   情報公表に関する報告。(障害福祉サービス等情報公表システムで閲覧ができる)

9.情報提供・自己評価の公表

(居宅訪問児童発達支援事業所を除く、障害児通所支援事業に限る)

・サービス提供時に関する情報を保護者に提供しているか

・条例等に規定された項目について、保護者アンケート等で評価を受けて改善し、結果を公表しているか。

10.安全対策の徹底

・児童の安全確保に関する計画を策定し、安全確保ができるために行う指導、研修及び訓練を実施しているか。

・自動車を運行するときは、児童の乗車及び降車の際に、点呼その他の児童の所在を確実に把握することができる方法により、児童の所在を確認しているか。

(但し、居宅訪問型児童発達支援事業所及び保育所等訪問支援事業所を除く。)

引用:令和7年指導監査の重点事項

まとめ

ここまで千葉県のHPから千葉県の障害福祉サービス事業所の指定及び指導の状況、令和6年度実地指導における主な指導事項、令和7年度指導監査の重点事項についてご説明させていただきました。

ここで指摘があった箇所でまだ整備ができていない事業所様や、自信がある事業所も、今一度確認をお願いします。

北村行政書士事務所は主に千葉県を中心とした、松戸市、野田市、柏市、流山市、我孫子市、鎌ケ谷市、船橋市、市川市、白井市等の指定申請サポート、運営サポートを専門とする行政書士です。千葉県以外にも対応可能です、是非、お気軽にご相談ください。