相続登記とは?相続登記義務化とは?義務違反の罰則は?について分かりやすく解説

相続登記とは?
不動産の所有者が亡くなり相続が発生した場合に必要な手続きのことです。亡くなった方が、所持していた不動産の名義を変更し、新しい所有者を明確にするための手続きをいいます。
相続登記義務化の背景について
全国の所有者不明率 20.3%
所有者不明の土地面積 約410万ha
※九州の面積368万haよりも大きい
(平成28年度地籍調査に基づく所有者不明土地問題研究会発表データ)
原因
相続登記の未了 61%
住所変更登記の未了 35%
所有者不明土地の割合 24%
(令和4年国土交通省調査)
相続により所有者が変わっても、相続登記の申請は義務ではなかったため、申請しない人が見逃されてきました。
結果、相続登記がされないため、登記簿を見ても所有者が分からない「所有者不明土地」が全国で増加し、以下のような社会問題になりました。
◎災害復旧の遅れ→震災、台風等の災害の緊急対応が困難、復旧作業ができない。
◎空き家問題→防災性、防犯性の低下、ごみの不法投棄などの管理不全状態
◎道路等の整備の停滞→道路の整備ができない、河川の安全管理ができない。
更に高齢化が進むことにより死亡者数が増加し、今後ますます深刻化することが予想されます。
相続登記が義務化とは?

引用:法務省(相続登記の申請義務化特設ページ)
相続(遺言を含む)により、不動産の所有権を取得した相続人は、自己のために相続開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務付けられました。
◎令和3年に法律が改正され、任意であった相続登記が義務化されることになりました。
◎令和6年4月1日からは、相続登記の申請が義務化されました。
◎令和6年4月1日より以前に相続が開始している場合も、3年の猶予期間がありますが、義務化の対象となるので注意が必要です。
義務違反をした場合はどうなるの?
(1)と(2)のいずれについても、※正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の適用対象となります。
(1)相続(遺言も含む)によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。
(2)遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記をしなければなりません。
登記官は、相続登記の申請義務の違反した者に対し、相当の期間を定めて相続登記の申請をするべき催告をします。催告しても、正当な理由なくその期間内に申請をしない場合は、管轄の地方裁判所に通知されます。

引用:法務省(相続登記の申請義務化について)
正当な理由とは?
登記官が裁判所に過料通知を行うのは、相続登記の申請義務に違反した者に対して、相当の期間を定めて相続登記の申請を催告したにもかかわらず、「正当な理由」なく、その期間内にその申請がされないときに限ります。
相続登記の申請義務の履行期間内において、以下のような事情が認められる場合には、一般に「正当な理由」があると認められます。
・相続登記の義務がある相続について、相続人が極めて多数に上り、かつ、戸籍関係書類等の収集や他の相続人の把握に多くの時間を要する場合
・相続登記の義務がある相続について、遺言の有効性や遺産の範囲等が相続人等の間で争われているために相続不動産の帰属主体が明らかにならいない場合
・相続登記の義務を負う者自身に重病その他これに準ずる事情がある場合
・相続登記の義務を負う者が配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律に規定する被害者その他これに準ずる者であり、その生命・心身に危害が及ぶおそれがある状態にあって避難を余儀なくしている場合
・相続登記の義務を負う者が経済的に困窮しているために、登記の申請を行うために要する費用を負担する能力がない場合
上記以外にも、登記の申請をしないことについての理由があり、その理由に正当性が認められる場合には、「正当な理由」があると認められ、過料通知は行われません。
早期に遺産分割が困難な場合には
早期に遺産分割をすることが困難な場合は「相続人申告登記」という簡便な手続きを法務局にすることで義務を果たすこともできます。ただし、不動産の相続を知った日から3年以内にする必要はあります。
相続人申告登記後に遺産分割がまとまった場合は、遺産分割の日から3年以内に遺産分割の結果に基づく相続登記が必要になります。
まとめ
相続登記を行うことは、不動産についての自分の権利を守ることのほかに、所有者不明土地の増加を防ぐことができます。
相続登記は、ご自身で不動産の所在地を管轄する法務局へ申請することができます。
相続登記を行わずに放置することがないよう、早めに準備をしておくことが重要になります。


